【本】伊坂沼から一時退避して新たな沼に足を突っ込む

皆さん、推理小説は好きですか?

本格推理ものにどっぷり浸りたい衝動にかられ、一旦伊坂沼から足をひっこ抜きました。

さて誰の小説にするか?

アガサ・クリスティエラリー・クイーン宮部みゆき森博嗣東野圭吾・・・

大御所の名作もいいけど、最近とんとご無沙汰している新しい作家さんの作品が読んでみたい。


「このミステリーがすごい」を遡ってネット検索していたら、

海外部門1位を4連覇している作家さんがいるではありませんか!

今年(2023年度)は惜しくも2位でしたが、それにしても4年連続1位はすごい。

イギリス人の作家「アンソニーホロヴィッツ

名前を聞いたこともありませんでした。

小説だけでなく映画やテレビドラマの脚本も手がけていて、あのポワロやシャーロック、刑事フォイルやバーナビー警部、007シリーズなど

わたしが好んで見ていた映画やドラマの脚本もこの人が書いていたとは驚きでした。


代表作とも言える探偵シリーズを今年に入ってから読み始め、

途中、図書館の予約待ちなどもあり

「最強同心 剣之介」に浮気したりして(笑)

やっと3部作すべて読み終わりました。


メインテーマは殺人

シャーロック・ホームズとワトソン、ポワロとヘイスティングス、名コンビですよね。

こちらは、元刑事のホーソーンと作者本人のアンソニーがコンビになります。

天才的な洞察力と推理力は持っているけど自分のことは一切語らない謎の多いホーソーン

それに対して、常識的で真面目だけどちょっとおマヌケなアンソニーという構図。

このパターン、イギリスの探偵小説の基本形なのかな?(笑)


ある老婦人が自身の葬儀の手配の打ち合わせを葬儀屋さんとした日に殺されてしまいます。

警察からの依頼で捜査を行う事になったホーソーンがこの事件を小説にしてみないかとアンソニーに打診します。

アンソニーは物語を創作することはあってもドキュメンタリー的な小説は書いたことがなく

しかも、ホーソーン人間性が好きになれないので断りたい。

なのに、なぜかずるずると事件とホーソーンに引きこまれていくんです。


彼らが見たもの、聞いたものは読者にもすべて提示されていたはずなのに・・・

のこのこ犯人に会いに行き、危ない目に合うおマヌケなアンソニー同様まったくわかりませんでした。

また、アンソニーの脚本家としてのエピソードが映画や海外ドラマファンにはたまらない。

スピルバーグの映画の脚本がボツになった話とか、刑事フォイルの主人公のキャラ設定の話とか。


その裁きは死

元刑事のホーソーンと作者本人のアンソニーがコンビを組んで事件を解決する2作目。

離婚弁護士がワインの瓶で殴られた後、割れた破片で喉を切られて殺害された。

前日、離婚裁判の相手の奥さんから「ワインの瓶で殴ってやりたい」のような暴言をレストランで浴びたばかり。

殺害現場の壁には、ペンキで書かれた”182”のメッセージが・・・


この奥さんって人が日本人なんです。

しかもかなりの変人(笑)

これで日本人のイメージ悪くならなきゃいいのだけど・・・


今回の犯人は最初の段階で予想した通りでした。

というのも、推理したわけではなく「一番意外性があるのは誰?」という、 あてずっぽう(笑)でしたけど。


殺しへのライン

「メインテーマは殺人」の発売まであと3ヵ月。

ホーソーンとアンソニーは揃って、本の宣伝のため島で開かれるフェスに参加することに・・・

参加者のメンバーはそれぞれ怪しげな人ばかり
(お決まりですね 笑)

そして、誰もに嫌われている嫌な奴が殺されます。
(これもお決まりのパターン 笑)

アンソニーのおマヌケっぷりとホーソーンの切れ味のある推理が炸裂。

意外な犯人に今回は完全にやられました。


現在、このシリーズは翻訳されているのがこの3作品なのですがどうやら4作目もあるみたい。

翻訳が待ち遠しいです。

作家アンソニー本人が作家アンソニーとして登場するこの小説。

よくもここまで自分をさらけだせるものだと感心します。

仕事の事、家族の事、ホーソーンへの怒りや友情・・・

いったいどこまでがリアルでどこからが架空なのかわからなくなるんですよね。


ここで、ホーソーンとアンソニーの関係性が垣間見える一節を

容疑者のひとりに話を聞きに向う途中で
「トニー(アンソニーの愛称)、ひとつだけ頼みがあるんだがいいか?」とホーソーンはふいに口を開いた。
「おれが話している間、どうか口を開かないようにしてくれ」
わたしが同行した2件の捜査の事を指しているのは、はっきりと伝わってきた。
どちらの事件でも、わたしは軽率に余計なことを口走ったとホーソーンに責められるはめになったのだ。
「その言いかたはあんまりじゃないか」わたしは言い返した。
「ここまでは、これでもかなり慎重にふるまってきたつもりなんだが」
「自分で思っているほど、あんたは慎重じゃないってことなのかもな」

ああ、また新たな沼にハマってしまった・・・(笑)




どんどこ

毎日のウォーキングで特に気に入っているのが「いたち川」に沿って歩くコースです。

宮本輝さんの芥川賞受賞作「螢川」の舞台にもなっている延長約12kmの河川。

春には川沿いを桜並木が彩ります。

それ以外の季節も様々な花や川で遊ぶ水鳥たちが季節の移り変わりを楽しませてくれます。


螢川は、ともこ (id:jlk415)さんの記事で紹介されてます。

わたしもエンタメ要素が強い小説ばかりじゃなくて、いつかこういった文芸作品をしっとり読む女性になりたい。

jlk415.hatenablog.com


そんな、いたち川にある「どんどこ」です。

どんどことは、富山の方言で水が勢いよく流れ落ちる音からきているそうです。

わたしには「ザー」としか聞こえないんだけど、「どんどこ」って聞こえる?

youtu.be



ただいまバーチャル旅行中:701 ~ 703 日目


第1ステージ 富山駅ハウステンボス
1,000km
第2ステージ ハウステンボス関門トンネル人道
1,000km
第3ステージ 関門トンネル人道 → 活魚料理 びんび家
1,000km
第4ステージ 活魚料理 びんび家 → 天下一品 鈴鹿
1,000km
第5ステージ 天下一品 鈴鹿店 → らーめん道
500km
3日間の歩行距離 19.8 km (5.0 km/h)
3日間の歩数 28,485 歩
通算の距離と歩数 4,500km+50.1 km:6,579,893 歩
到達地点 民宿ことぶき
静岡県賀茂郡南伊豆町入間61−1
目標地点 石廊崎まであと 7.6 km

ブコメ Thanks です!

Chocola (id:A-hanoi) さん
騙されるのが楽しいですよね。
謎が解き明かされる瞬間はゾクゾクします(笑)
そっか、本を自由に手に入れるのは当然のように思っていましたが
そちらでは簡単に入手できないのですね。
読みたい本リストを作っていたらすごい数になりそうですね。

OTSHOKOPAN (id:ot_nail) さん
カササギは、海外ドラマで見ちゃったんです。
ただ、役者さんにあまり魅力を感じなかったので
内容がイマイチ入ってきませんでした。
読書体力が回復したらカササギ読もうと思っています。
二作目が一番体力使ったかも・・・(笑)

くまたろう (id:jb-64) さん
どうやら、ザーで合っているみたいです(笑)
つい足を突っ込んで自らハマるタイプです、

Pちゃん (id:hukunekox) さん
ポワロを意識しているような気がします。
アンソニーホロビッツがアガサクリスティをリスペクトしているそうなんですよね。
作者本人が作者本人役で登場しているのが斬新ですよね。
きっと昔は蛍がいたのでしょうね。
今も上流にはいるでようが我が家の周りでは見られません。
いたち川にかわってますが、いたちも見られません(笑)

サンタ (id:santa-baking) さん
そうですね。
実際の音とは違っていても「しとしと」は「しとしと」ですし
「どんどこ」は「どんどこ」なんでしょうね(笑)

だるころ9216 (id:darucoro9216kun) さん
宮本輝さん、お近くの大学に通ってらしたのですね。
そういえば大阪と富山の両方の川が舞台になっている作品らしいですね。
わたしも川3部作読んでみようと思います!





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