完全に沼落ち状態
伊坂幸太郎さんがエッセイで紹介されていた小説は
どれも ぶっ飛んでいて面白い
奇想天外なストーリーなのにオチでほっこりとさせてくる
絶妙なツンデレ具合(笑)
そんな本ばかり読んでいたら
まるで、辛いものと甘いものを交互に食べるように
イイミス(ほっこりする小説)と
イヤミス(嫌な気分になる小説)を交互に読み漁っていたら
沼の底から抜け出せなくなってしまった
伊坂幸太郎さんのオススメ
青梅雨その他

永井龍男・1966年
昭和の香り漂う13の短篇集
この本、無地ではないんですよ
装丁が褪せていて、実見ではうっすらと表題が見えます(笑)
伊坂氏は「恥ずかしいことに、今まで読んでいなかった」なんて書いていたけど
わたしなんて永井龍男という作家さん自体まったく知りませんでした
しかも半世紀も前の本を読むことになろうとは
伊坂氏の影響、モロに受けてますね(笑)
なんだろう、全体的に不穏な雰囲気が漂っている作品が多いです
伊坂氏の作品で言うと「オーデュボンの祈り」のような・・・
因みに伊坂さんは、この本を「最後のオチが愛しい本」に認定している
たしかに"オチが愛しい"という表現がしっくりくる
ぼくが愛したゴウスト

打海文三・2005年
11歳の少年 翔太が初めて都心へコンサート行った帰り
駅で人身事故を目撃する
その時から、見た目はそっくり同じだが今までと微妙にちがうパラレルワールドのような世界へ迷い込んでしまった
SFとファンタジーが入り混じったような不思議な作品です
どんな結末なんだろうとドキドキしながら読み進めていくと
なんて不思議で、素晴らしい終わり方なんだろうと思わずにいられない
伊坂さんが、書棚の一番いい場所に置きたいと絶賛されていました
わたしも本棚の一番いい場所に・・・って
あかん、図書館の借りものだったわ(笑)
白昼堂々

結城昌治・1966年
貧しい廃坑の村人たちが自分たちの生活を維持するため選んだ道は万引き集団
それぞれのキャラが個性豊かで面白い
ハラハラドキドキ感にぐいぐい引き込まれました
『映画のように映像が浮かび、楽しかった』と 伊坂幸太郎さんのおっしゃるとおりの作品でした
なんてったって最後のオチには唖然となります
夜ふけと梅の花・山椒魚

井伏鱒二・1997年
伊坂氏がこの中の「ジョセフと女子大学生」がめちゃくちゃ面白いと絶賛
しかし、あの井伏鱒二氏に"面白い"がどうしても結びつかない
高校時代の国語の授業は、寝ても覚めても「黒い雨」の熟読でした
当時、読書そのものが嫌いになりそうなほど読むのがつらかったので
井伏鱒二という作家さんはそれ以降読もうと思ったことはなかったんです
まず読み始めて「何?この軽いカンジ?「黒い雨」とまったく違うやん!」でした
文章が読みやすく、それぞれの話でくすりと笑えるところがある
思い込みで随分と損してたと気づかされました
ぬかるんでから

佐藤哲也・2001年
なんだ!この世界は!
わけわからんけど妙にハマる短編集
伊坂さんに「こんなに面白い人がいるのにって怖くて書けなくなっていたかも」と言わしめたのもうなづける
伊坂さんの小説も大概奇想天外だけどこの人の世界は・・・もう言葉にできない(笑)
例えば「春の訪れ」では春を探しにほのぼのと夫婦で山へ行くのよ
ところが見つけた春は「鉛色の体長50mのムカデで頭はクワガタ」の怪獣(笑)
自衛隊とかも出動して攻防戦が始まるんだけど
「見て!春を見つけたわ!」という奥さんに「ほんとうだ春だね」と答えるご主人で終わる物語
どういうこっちゃ?でしょ
イヤミスの女王たち
イヤミスとは、ミステリー小説の一種で、読んだ後に「嫌な気分」になる小説のことを指します。悪意に満ちた人物が描かれたり、救いのない結末を迎えたりして、不快感や裏切られたような嫌な気持ちになります。
イヤミス小説の特徴としては、次のようなものがあります。
殺人犯側のゾッとする心理描写や悲しい結末が描かれている
謎が解けてスッキリすることはなく、むしろ不快感を味わう
人間の心の闇を巧みに描いた作品が多く、先を読むのが怖いのに読む手が止まらない
イヤミスを得意とする女性作家として、湊かなえ、真梨幸子、沼田まほかるなどが挙げられます。湊かなえは「イヤミスの女王」とも呼ばれ、真梨幸子は「イヤミス」小説の代表作家として知られています。
殺人鬼フジコの衝動

真梨幸子・2008年
背筋が凍るとはまさにこんな小説のことを言うんでしょうね
ただ、イヤミスに位置付けされるほど後味の悪さはありませんでした
伏線回収とどんでん返しもしっかり存在しているし・・・
人間のカルマの深さを痛感する内容でした
リバース

湊 かなえ・2014年
初めて湊かなえさんの作品を読みました
湊かなえさんはパンチの強いイヤミス作品が多いとのことだったので
まずはその中でもマイルドといわれるこの作品から読み始めることに・・・
登場人物はみないい人で悪意を感じるような人は出てきません
美味しい珈琲が飲みたくなるな~なんて安心して読み進めていたら
(珈琲好きの主人公なので度々美味しそうな珈琲の記述があります)
最後の1行にイヤミスの真髄が・・・
豆の上で眠る

湊 かなえ・2014年
わたしは知らなかったのですが
アンデルセン童話に「えんどうまめの上に寝たお姫様」というのがあるそうです
本当のお姫さまと結婚したいと願う王子さまのもとへ
ある嵐の夜、身なりがボロボロの少女が訪ねてきました
その少女は自分はお姫様だと言うのです
お后さまは「本当のお姫さま」かを確かめるため
何枚もの敷布団の下にえんどう豆を一粒置いたそうな
翌朝、お后さまが「よく眠れましたか」とお尋ねになると
「布団の下に何か硬いものがあったのでよく眠れませんでした」と答えた少女
お后さまはそんなに繊細なのは「本当のお姫さま」に違いないと
王子さまと結婚させたというお話
幼い頃に失踪した姉が2年後に突然戻ってきたのだけど
まるでえんどうまめの上に寝ているようなしっくりこない違和感を感じる妹
大学生になった妹に驚愕の真実が知らされます
これも「イヤミスの女王」にしてはマイルド
これで準備体操は整ったので本格イヤミスの沼にさらに落ちま~す
ダンナも沼落ち

うなぎの成瀬
上うな重松 2,900円(税込)
どうやら、うちのダンナ
「うなぎの成瀬」と「小木曽製粉所」に沼落ちしているようです
交互にリクエストしてくる
このままいくと来月は「小木曽製粉所」か(笑)
ただいまバーチャル旅行中:993 ~ 995 日目

第1~第7ステージ | 富山駅 → スパリゾートハワイアンズ 5,550km |
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第8ステージ | スパリゾートハワイアンズ→北海道上陸 750km |
3日間の歩行距離 | 18.1 km (5.0 km/h) |
3日間の歩数 | 26,164 歩 |
通算の距離と歩数 | 6,300km+ 428.7 km:9,513,445 歩 |
到達地点 | ルピナスの丘 北海道浦河郡浦河町潮見町 |
目標地点 | 襟裳岬まであと 52.3 km |

ブコメ Thanks です!
Pちゃん (id:hukunekox) さん
湊かなえ氏と伊坂幸太郎氏のオススメは両極端(笑)です
ぷぷ、最後はダンナのイイミスだったか~
うなぎの絵チカラ強し!
ともこ (id:jlk415) さん
ははは、「いさかゆかちん」って・・・
初見初読の作家さんばかりでした
こんなに読んだのは学生の頃以来かも知れません
本はいいなと改めて感じました
チェスキー (id:aquarelax) さん
わたしもイヤミスはムリと思っていました
でも人間って不思議ですよ
イイミスばかり読んでいたらイヤミスが読みたくなるもんです(笑)
OTSHOKOPAN (id:ot_nail) さん
イヤミスって面白いですね
強烈だけど巧みな心理描写でグイグイ惹きこまれました
読み手も罠にかかるところがたまらない(笑)
だるころ9216 (id:darucoro9216kun) さん
うなぎの成瀬、うなぎの種類も増えて国産を選べるようになっていました
週末図書館っていいですね
わたしは週末読書なので週はじめ図書館(笑)が多いです
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ちび太の大いなる野望
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